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パノラマ島綺譚 (BEAM COMIX)

パノラマ島綺譚 (BEAM COMIX) 江戸川 乱歩
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定価 : ¥ 1,029
販売元 :エンターブレイン
発売日 : 2008-02-25
発送可能時期 : 在庫あり。
価格 : ¥ 1,029
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凄い、凄すぎる

少年時代に乱歩の原作を読んだ。当時は伏字だらけで、なにがなんだか分からなかったが、それがまた妄想を誘って興奮した。
それが、丸尾氏によって具象化された。その精緻な絵につくづく眺め入って時間のたつのを忘れた。筋は乱歩の原作とは多少違うが、パノラマ島の酒池肉林の絵画化描写には驚嘆した。
なお、私がこの本を買ったのは朝日新聞の日曜版の書籍紹介がきっかけだった。

原作のビジュアル化に初めて成功

江戸川乱歩の代表作でありながら、ビジュアル化は不可能な作品であると思っていたが、ついに丸尾末広によって成功した。過去にTVドラマ等によってビジュアル化が試みられているが、あのパノラマ島での幻想的なシーンは描ききれておらず、かろうじてラジオドラマでその世界を想像させるにとどまっていた。

今回、この本で丸尾は原作の雰囲気を十分にそしゃくして、その独特の退廃とエロス、当時の時代性を描ききり、空想世界を現実のものとした。漫画が到達したある種金字塔とも評される作品。

漫画という究極の至芸

日頃、ほとんど漫画を読むことはないのだが、何しろ江戸川乱歩の「パノラマ島綺譚」となれば、買わないわけにはいかないだろう、と・・・。巨万の富を得て夢を実現しようとする男は、さながらミルハウザーの「マーティンドレクスラーの夢」を思わせる。というよりも、この手の物語を描かせたら現代最高峰の技量を誇るミルハウザーにこそ、この作品を贈りたい。かつて日本には、これほどの夢想を有する作家がいたのだと、そして現在、それをビジュアルとして描ききる漫画家がいるのだと。
 様々な芸術作品に対するオマージュとも呼べる要素も盛り込まれている。オフィーリア、ヒエロニムス・ボスの絵画・・・ブルトンが生きていたのなら、「魔術的芸術」にも紹介されたであろう傑作。
まさに漫画という手法を用いた究極の至芸。星5つでは足りないぐらいだ。

大乱歩の迷宮世界に遊ぶ至福のひとときを堪能

 大正から昭和初頭にかけての浪漫風景。パノラマの景色が誘う不思議な懐かしさ。そして、作家のユートピア願望が自由奔放、縦横無尽に展開される解放感。こうした妙味が混然一体となった怪奇・幻想小説の逸品に、丸尾末広が絵を付けたもの。絢爛たるイラストをちりばめてゆく漫画の趣が、原作の雰囲気とよく溶け合っていて、魅せられましたねぇ。

 とりわけ、本書の中盤から後半にかけて。桃源郷への男の夢と憧れが、パノラマ島の人工楽園の色々な風物として結実していく、その辺りの絵的な表現が見事! ガラスのトンネルから眺める海底風景の幻想。中国の仙境の世界にも通じる大渓谷、大階段、大庭園の魔法。まさに、<我々の日常から乖離した別世界が 目も遥かにうち続く>光景の壮大さ、不可思議さ、懐かしさに、わくわくさせられました。

 夜空を美しく彩るフィナーレまで、本書の冒頭に掲げられた乱歩の、<現世(うつしよ)は夢 夜の夢こそ真実(まこと)>の言葉が妖しく、豊かに息づいている一冊。

ただただ美しい

乱歩は大好きですが、正直丸尾末広は好きじゃなかったので買うのためらいました。
というのも、氏のエロ・グロ・スカトロ描写が苦手で、うちに置くのもおぞましかったからです。
けれどもあまりに美しい広告のイラストに乱歩とくれば黙ってはおれず、思わず買ってしまいました。
感想は星の数にもあるとうり、素晴らしいの一言です。
他の方も書いていらっしゃるように、後半のパノラマ島描写はひたすら圧巻で、モノクロ印刷を忘れるほどの鮮やかさです。
心配していたエログロ描写も他の丸尾作品に比べると全く気にならず、すんなり読めました。
乱歩の世界が見事に表現された一級品です。

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